【公式】たくらふのブログ

嘘でも本当でもない夢現な日常ブログ

SO SHITE BOKURAHA…

志保との出会いを振り返ると、あの頃は4年以上も前のことなのだと、感慨深いものがある。

小学生6年生が高校生になっているということだ。身長もすごく伸びるだろう。

彼女の妹も、私と付き合い始めた頃は高校生だった。今は大学生になり髪の毛を派手に染めていた。

 

あの夜、LINEの返事はなかった。

返事が来たのは、翌朝だった。

私は、運命だと言った。私を救ってくれたあの夜から、こうなることは決まっていたのだと。

せっかくだから、お礼に食事をご馳走させてほしいと申し出た。

返事はもちろんOKだった。

 

待ち合わせの駅前に着くと、彼女は歩いて向かって来た。

三度目。生まれてから、これで会うのは3回目だというのに不思議とそんな気はしなかった。

私はそれなりに緊張していた。

しかし、それを上回るワクワク感があった。

思い返せば、すでにこの時私は先のことを考えていた。

この食事で終わるはずがないと、確信していた。

理由はわからない。最初から、私はこの一連の流れに身を任せていた。

 

店に入り、お互い向かい合わせに座った。

面と向き合ってシラフで話すのはもちろん初めてだった。

あの時はありがとう、とか、また会うとは思わなかったとか。

注文した料理がテーブルの上を賑やかす。

夕立の雨粒がアスファルトを徐々に点々と黒く染めていくように、会話はしだいに膨らんでいった。

心地よい時間だった。

よく聞き、よく笑う人だった。

常に表情はにこやかで、話しやすい。

ついつい、どうでもいいようなことを喋ってしまった気がする。

マイケルジャクソンは整形して日本に住んでいるとか、腕立て伏せのしすぎで太陽が生まれたとか。

それでも彼女は嫌な顔せず、笑ってくれたのだった。

 

ラストオーダーの時間がきた。

最後に頼んだのは、明太子とチーズがトッピングされたポテトだった。

最後に頼むものじゃないなと、後になって思った。

 

今回は俺が送るよと言ったが、心配だから送るよと言われた。

大して飲んではいないけれども、家まで来られるのもまだ嫌なのかななど考え、ありがとうと言った。

帰り道でも、あの時のこと覚えてるか、とか、ここで寝てたんだよとか、イヤホンをあげる、俺の耳垢ついてるけど、と言って地面に置いていたとか、話のタネは尽きなかった。

またしても私の家の前まで送ってくれた彼女は、去っていった。

 

今日は楽しかったよ、とLINEを送る。

彼女の返事は早かった。奢ってくれてありがとう、

「次は割り勘で」

と書いてあった。

次のバイトの休みはいつだっけ。と私はすぐにシフト表を確認したのだった。