ジョジョの奇妙な冒険【黄金の風】EP1(前半)
嫁が、ジョジョは怖いから見たくないというから
怖くないように解説して、面白さを伝えようと思うんだ。
―――
ここは南イタリアの都市、ネアポリス。「ネアポリスを見てから死ね」と言われるほど風光明媚(ふうこうめいび)な観光都市である。
しかし、観光客を狙ったスリや、ギャングの麻薬密売など、恐ろしい闇の顔を併せ持つ!
この街で油断しちゃあだめだぞ!
この町に住む青年、彼の名前はジョルノ・ジョバァーナくん。15歳。
ボンジョルノとはイタリアのこんにちはだよ
この物語は、彼の数奇な運命の物語である!
ところ変わって空港前。
観光客がネアポリスに降り立つ空の港。
タクシー乗り場には、たくさんの観光客が足を求めて行列を作っている。
そこに降り立った一人の日本人観光客。彼の名は広瀬康一くん。
前作に登場していた人物でもあるよ
康一くんはある人に頼まれて、人探しにネアポリスに来たんだよ。
彼が探しているのは「汐華 初流乃(しおばな はるの)」。
手がかりはこの写真と裏に書いてある住所。
空条承太郎という海洋生物学者から、汐華君のお父さんについて調べるために、ほんの薄皮でもいいから採取してくれと、はるばるイタリアまでやって来たんだ。
康一君の旅費は全部この人が出した。全前作からの古株。
空港のエントランスを出た康一君は、紫の服に金色の髪の青年が、空港の警備員に「耳の穴の中に、耳が全部入っちまう」という変な特技を見せているところを目撃した。
その青年こそ、ジョルノ・ジョバァーナ君。
それともう一つ目撃したことが。
それは、ジョルノ君が警備員さんにお金を渡してたってこと!
実は、ジョルノ君は空港前で観光客をカモに白タクシー(タクシーの営業にはライセンスが必要なのである!それを持たずに個人で営業する違法タクシー屋を総称して「白タクシー」と呼ぶ!)でアルバイトしてるんだけど、それを警備員が取り締まってるんだ。
だから、警備員さんに「ワイロ」を渡して闇アルバイトを黙認してもらってたんだね!
ジョルノ君はヤンキーだ!すごいや!
そんなジョルノ君を尻目に、荷物を置いて身軽になりたい康一君は、ホテルに行くためにタクシー乗り場に来たんだけど、いつになったら乗れるなかってほどの行列!
そんな康一君を見つけたジョルノ君は、「カモ発見」ってな具合で「タクシー?安くしとくよ」って誘ったんだけど、「市内まで18万リラ(日本円にして約1万円!)でどう?」だって!
康一君を旅慣れていない日本人だと思ってふっかけてきたんだ!
こら!ジョルノ君、だめじゃあないか!
でも康一君はイタリア語もペラペラで、タクシーの相場も本当はその半分くらいだってことも知ってたから騙されなかったんだけどね!
さすがだぜ、康一君!
当てが外れたジョルノ君。
そうするとジョルノ君は「1万リラでいいよ」って言ったんだ!
1万リラというと、約500円!
さすがの康一君もこれには心が動いちゃったみたいだね!
タクシー乗り場も混んでるし、ジョルノ君のタクシーに乗ることにしたんだ!
でもね、最初に言ったと思うけど…
この街で油断しちゃあだめだぞ。
さてさて。
格安で送るんだから、荷物は自分で車に積んでよね、とジョルノ君。
荷物は助手席へ、君は後部座席に。
車の助手席に荷物を載せながら康一君はジョルノ君に、ちゃんとホテルまで回り道なんかせずに送り届けるように、とクギを刺しておいた!
自分を「旅慣れてない観光客」って思うなよってこと!
康一君が荷物を載せて助手席のドアを閉めた時
ジョルノ君はちゃんと
「正直に送り届けます!」って言ったんだ。
ただし…
なんだって!?
康一君を乗せる前に車はびゅぅーーーんと発進!!
チャオとは、イタリア語でバイバイだよ。
しばらく呆然と立ち尽くす康一君。
しかし、自分が荷物のかっぱらいに遭ったということをちょっと遅れて理解した!!
普通ならここでわんわんと泣き喚いてどうしよーなんてやるもんだけど、
でもね、康一君はただの日本人観光客じゃあないんだぜ!
なんだコイツは!?康一くんの友達か?
突然、康一君のそばに変なのが現れたかと思うと、急にジョルノ君の車が、まるで上から押さえつけられているみたいに動かなくなった!
康一君はいったい何者!?
余裕の足取りでジョルノ君は車に追いつく康一君!
ジョルノ君、悪いことはできないね!
ジョルノ君は車から降りると、手ぶらでそそくさと逃げちゃいました!
なんだか、カッコ悪いなあ。
康一君は車の助手席から荷物をバッグを下ろそうとドアを開けると、なんとバッグが、ないんだ!
その代わりにあったのは、
徐々に奇妙になってきたなぁ(誰)
康一君がバッグを置いた座席の上には黄色い粘膜のようなもの。
その中には何か、生き物のようなものがうごめいているのが見える!
そして粘膜を破って出てきたのは、なんとカエル!それも本物の生きたカエル!!
いったい何がどうなっているんだ!?
荷物は無いし、ジョルノ君にも逃げられた康一君は、ひとり取り残されてしまいました。
その様子を見ていた空港警備員たちがくすくすと笑っているのが聞こえるぞ。
「ジョルノのやつ、失敗してやがる、クフフ」
「半分日本人のくせに、日本人観光客をだまそうとするからだ、プフフ」
「まあでも、あの金髪に“ジョルノ・ジョバァーナ”って名前じゃ、誰もわからねえか、キヒヒ」
一方、カエルはぴょこぴょこ跳ねて、下水道へと逃げて行ったのでした。
――
ちなみに、康一君のそばにいた変なのは“スタンド”!
人間の生命エネルギーと精神的エネルギーが具体化したものなんだ!
康一君のスタンド、「エコーズ」は「モノを重くする能力」を持つ!
ジョルノ君も、もしかしたら…。
――
少し時を経て、ここは空港の裏。
ジョルノ君はまた空港に戻ってきていたんだ。だけど、何かを待っている様子だなあ。
そこへ現れたのは、なんと!!
【涙目のルカ】!
でも、ジョルノが待ってたのはルカさんじゃあないみたい。
ルカはいつも右目から涙が垂れてくる。なんでかっていうと、ケンカの時、相手から顔面に深々とナイフを突き立てられても戦うのをやめなかったからなんだ。だから、けがが治った今でも、その後遺症のせいで常に涙目なんだ。
んなことより、こいつはやべえ!
ルカさんは空港の白タクシーから「敬いの献上金」を巻き上げるギャングだ!
許可を得ないで白タクシーをやってたジョルノ君を探して会いに来たんだ!
ルカさんに黙って白タクシーをやってると、大きなスコップで叩かれるんだ!痛いぞお!
ルカさんはスコップを持っている
ジョルノ君はさっき警備員にお金を払ったから、もう無いってルカさんに正直に言った!
けれども、ルカさんは舐められてると思って怒っちゃった!
お金が欲しい!
怖いよー!
でも、ジョルノ君は全然怖がってないどころか、ルカさんにこんなことを言っちゃったんだ!
さらっと言っちゃうところにしびれる!!
さすがのルカさんもブチギレ案件ですよこれは!?
ついに、伝家の宝刀「スコップ」のお出ましだあああ!!
危ないよ!ジョルノ君!
ジョルノ君の華麗な身のこなし!
きゃあーーー!ルカさんはスコップでジョルノを叩こうとしたけど、間一髪!
ジョルノ君はひょいと避けた!
そこへ、見覚えのある一匹のカエルさんがぴょこぴょことジョルノ君の足元へ。
そのまま体まで登ってきました。かわいいね!
でもルカさんはそんなカエルさんを叩き落とせ!って怒鳴っているよ!
緑色のがカエルさんだよ!
ジョルノ君はお金を払えという命令も、カエルさんを叩き落とせという命令も、両方とも無視してしまった!!
激高しているルカさんに対して、両方とも逆らうということは、つまり!
スーパー激怒!からの・・・
激おこスコップ!!
ルカさんはカエルさんごとジョルノ君をスコップで叩いちゃった!!痛そうーー!
あれ?でもジョルノ君もカエル君も、無事みたいだよ!!!!
それに、様子がおかしいのは、ルカさんのほうだ!!!
何か難しいことを言っているようだ!
えぇー!どうなちゃってんの!?
ぎえぇええ!カエルさんを叩いたはずのルカさんの頭がああぁ!
へこんでるうう!
それにカエルさんが形を変えて、康一君のバッグになっちゃった!
一体どうなってるんだ!?
これも康一君のような“スタンド”の能力なのか!?
カエルはバッグに。ルカさんは負けました。
とにもかくにも、ギャングのルカさんをやっつけちゃった!!!
ジョルノ君って、本当は強いんだね!かっこいい!
つづくぅ!!