虚無
時計の針が昼の12時を回ってからの午後は、まるで坂を下る自転車のように速く進んでいく。
次に目覚めるとき、すでに日は落ちて、何も羽織らずにごろ寝した身体が冷えていることだろう。
フローリングに敷いた青いカーペットの上に、黒い座布団を2つ折りにして枕にして、僕は死んだように眠っていた。
誰もいない。寝ても覚めても退屈とは、まさにこのことだった。寂しさを紛らわすことはしたくなかった。寂しさを振り払おうとすればするほど、虚しさが広がるだけだと、知っていたからだ。
むなしくならないかつ、寂しさをまぎらわす方法
そのいち、
天井にむかって
「俺は最強だ」
と50ヘルツでつぶやく
そのに、
30㌢ほどジャンプして
「鬼はそと~」
と200ヘルツでさけび、
着地と同時に窓ガラスに向かって裏ピース
そのさん、
「ワトソンくん、例のものを」
と、
言い続けながら、カツ丼をくう
ふりをする。